パートナーの思慮深い考察

失業保険の額に比例して、失業率が上がる、という

説もある。

 

失業保険が出れば出るほど、条件のよい職場を

求めるようになる。

 

月5万の失業保険なら、月収15万で就職するかも

しれない。

 

けど、月10万の失業保険出てたら就職しない、とか。

 

トピックが前後しますが、嫉妬と不安の件。

 

そもそも、嫉妬とか不安とは何でしょう、

という話から。

 

これは、どちらもアイデンティティを守るための

反応と考えられます。

 

アイデンティティには、大雑把に2つのタイプが

あります。

 

自分はXXである

自分はXXするべき

 

のふたつ。

 

さしあたって、前者をである系、後者をべき系と

呼んでおきます。

 

である系のアイデンティティとしては、例えば、

 

私は日本人である

私は男である

私は現在年収xx万円である

私は神奈川県在住である

 

というようなもの。

 

べき系は、

 

自助努力するべき

困った人は助けるべき

一日平均10kmは走るべき

 

みたいな。

 

どちらも、人によって数も強さもいろいろです。

 

意識しているものもあれば、無意識のものも

あります。

 

ポイントは、アイデンティティの中には非常に

強いものもありまして、中には全てのものごとに

優先して守らなくてはならないものがあるようです。

 

それを失なえば、もはや自分ではない、という

ようなものです。

 

嫉妬とか不安は、それらを守るための反応だと

思うとわかりやすいです。

 

嫉妬の場合、べき系のアイデンティティが危機に

さらされています。

 

自分は月3000万稼ぐべき、というアイデンティティ

があったとして、それが危うくなっている、と。

 

誰かがそれを達成しているのをみて、自分の

アイデンティティが強く意識されてしまい、

達成できていない自分を強制的に明確にさせ

られてしまうからですね。

 

それが感情として出てきたものが嫉妬と呼ばれる

ものです。

 

だから、アイデンティティと関係ないような対象に

対しては嫉妬は起きないです。

 

孫さんや柳井さんをみても嫉妬しないのは、自分の

べき系アイデンティティと重なるところがないから

ですね。

 

これを踏まえると、嫉妬が消える場合も推察

できます。

 

自分のべき系アイデンティティと、外部の何か、

というふたつの要素が絡まって発生するので、

このどちらかが変わった場合、嫉妬はなくなります。

 

例えば、3000万円稼ぐべき、というのはそんなに

重要じゃないなぁ、と思いはじめた場合とか、

確かにアイツ3000万円稼いでるけど、よく調べたら

サギじゃん、という事実が発覚した場合とか。

 

そして不安は、である系のアイデンティティが

危ないときの反応といえます。

 

所有物に自分のアイデンティティを預けている

ケースは多いですが、そういう例は分かりやすい

です。

 

預金口座に最低1000万円入っていないと不安、

という場合、自分は1000万円所有している、

というのがアイデンティティになっています。

 

家とか友人とか、なくなると不安、というのは、

家に住んでいる、誰誰と友人である、というのが

アイデンティティになっています。

 

イチローは、不安だから練習する、みたいなことを

言っていますが、これは、自分はこれこれこれだけの

実力がある、というアイデンティティを失いたく

ないからだと思われます。

 

そんな感じで、不安や嫉妬は、一見、外に向け

られるような感じがしますが、実際には当人の

アイデンティティにポイントがあるようです。

 

誰かに嫉妬を感じたとき、何かに不安を感じた

とき、どのアイデンティティが危機に晒されているか

探ってみると、おもしろいかもしれません。

 

また、恐怖というものも不安と同じようなもので、

アイデンティティがお金に依存していなければ

貧乏への恐怖は発生しないです。

 

そんな人、今の日本にはいないと思いますが(笑)

 

余裕というのは、這い上がれる自信がある、という

よりかは、むしろ、浮き沈みをアイデンティティと

して受け入れていると言えそうです。

 

ビジネスやっていれば、浮くこともあるし沈む

こともある。

 

自分はそういうことをやっている人、と捉えて

いれば、沈んだときに狼狽えたり自暴自棄に

なったりしないでしょう。

 

あるいは、儲けることがアイデンティティに

なっていれば、利益が出なくなったりすると

危ないですが、社会貢献とか自己研鑽が

アイデンティティになっていれば、心の動きは

利益とは切り離されます。

 

そんな感じです。

 

僕は、一般にアイデンティティというものは非常に

強力な作用をするものだと思っていますし、心の

動きも、それに大きく引っ張られていると思って

います。

 


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